Q:まずはじめに、自己紹介をお願いします。
A:The Viridi-anneの岡庭智明です。このブランドは2001年にスタートしたので、来年で20周年になります。
Q:今回の2021SSコレクションにおけるデザインのインスピレーションは?
A:たまたま立ち寄ったアートブックのお店で手に取ったこの本をきっかけに、様々なパズルのピースがハマった感じでテーマを昆虫学者のライフスタイルにしました。その昆虫学者のインドアとアウトドアというイメージでデザイン画を描き進めました。
Q:その後実際にこのアートブックの作者さんと連絡を取り合ったとか。
A:はい。イラストを使いたいとオファーさせて頂き、実現しました。
Q:通常コレクション制作はどのように進めるのでしょうか?
A:様々な素材を見ることから始めます。
Q:確かにThe Viridi-anneの素材使いは非常にオリジナリティがあると感じます。
A:通常はコレクションの半分くらいをオリジナルファブリックで構成して、オリジナルではない場合でも加工をはじめひと手間加えてThe Viridi-anneらしさを表現するようにしています。
Q:どんな素材に惹かれるのでしょうか?
A:素材が美しいかどうかがひとつの基準です。
同時に、例えば生地にハリが欲しい時には打ち込みを多くしたり、落ち感が欲しい場合にはキュプラやレーヨンでは無く、コットンを強撚して表現するなど、なるべく他に無いような素材作りを心がけています。
Q:デザインにしろ素材にしろ、The Viridi-anneらしさとは何ですか?
A:どんなものを作るにしても、どこかに必ず違和感を残すようにしています
Q:今回Cordura Nyco Japan Quarityを使ったカプセルコレクションを制作して頂きましたが、元々Corduraというファブリックブランドにはどんな印象をお持ちでしたか?
A:やはりCorduraと言えばナイロン、というイメージがありましたが、今回使用させて頂いたNycoは表情はコットンですがナイロンが入っている分、シワがふっくらと折れるような立体感や形状記憶感が出るのがとても良かったです。
Q:ツイル素材を非常に気に入って頂けましたね。
A:はい。レイヤーにしていない方は製品洗いをかけたのですが、パッカリングや表情がとてもいい感じになりました。
Q:僕はこの3レイヤーのマウンテンパーカーとバックパックがストライクでした!
A:ありがとうございます。この3レイヤーにしてもらったツイル生地も、いわゆるアウトドアテイストな一般的なナイロンの3レイヤーと違って、光沢感が無くてクラシカルな表情に落ち着いたのが自分としても非常に気に入っています。
Q:最後に、今回はとても素敵なカプセルコレクションにして頂きありがとうございました!想像以上の完成度で正直驚きました。
A:こちらこそありがとうございました。
自分でも満足の行くカプセルコレクションに仕上がったので、また機会があればぜひよろしくお願いします。
designer.
1963年、長野県出身。東京造形大学絵画科を卒業後、独学でパターンメイキングと縫製を学びファッションデザインの道を歩む。レディースのコレクションの展開や、アンダーグラウンドシーンでランウェイショーを行うなど多岐に活動。2001年にメンズレーベル<The Viridi-anne/ザ ヴィリディアン>を立ち上げ、外苑前に旗艦店を開く。2013年、恵比寿に移転し現在に至る。