<FaW TOKYO サステナブルファッションEXPO 2023秋>出展レビュー

2023年10月上旬に開催された「ファッションワールド東京 FaW TOKYO サステナブルファッションEXPO」への、KOWA初出展レビューをお届けします。

この展示会はエコ・リサイクル・オーガニック・フェアトレードなど、サステナビリティをフィーチャーしたファッション製品や素材が世界中から一堂に会する、日本最大の専門展です。

より幅広い層の来場者に届く内容にするため、繊維製品の循環リサイクルに関わる多様な事業を手掛けている企業BPLabと共同出展いたしました。

KOWA初のこころみの展示内容

展示内容は環境配慮型のサービスを明確にわかりやすくビジネスの視点で表現した、KOWA初のこころみに。

「生態系サイクル」と「技術的サイクル」の2軸によって構成しています。斬新な切り口が多くの来場者の心をつかみ、ファッション業界の枠を超え、自動車産業やインテリア業界といった他業界の方々にも、多数来場いただきました。

CURETEX:繊維から野菜へ

生態系サイクルでは、衣料品を肥料として再利用できる和紙繊維「CURETEX(キュアテックス)」を提案いたしました。

この特殊な和紙繊維を土壌に置くと、生分解がおこなわれ肥料となり、土壌改良が可能。まさにサステナブル繊維なのです。

さらに土壌改良を行った農園から採れた農産物を食品に加工。興和グループ通販サイト「KOWAハピネスダイレクト」で販売しています。

紹介には来場者がより身近に、現実的に感じられる展示を用意しました。

<1>キュアテックスで造られた衣料品

<2>使用済み衣料品を改修する店舗回収BOX

<3>回収生地が生分解して肥料となり、土中のバクテリアの活動を活発化させ、土壌が豊かになり植物が健やかに育つプランター

<4>実った野菜から作られた食品(キュアフーズ)

…と、衣⇒農⇒食につながるサイクルを分かりやすく表現したのです。

回収から食品化まで独自のサプライチェーンで実現している内容に、幅広い来場者から驚きの声が。

環境配慮型のアプローチは業界の枠を超え、ボーダーレスな関心を集めていると確かな手ごたえを感じました。

QUARTEC:新世代の表皮材

技術的サイクルの紹介では、「QUARTEC(クアルテック)」を用いた鮮やかなソファが、来場者の視線を釘付けに。加賀友禅作家・上坂先生のデザインです。

クアルテック最大の特徴は、生産過程で樹脂や薬剤を混ぜずに作られた高品質ポリエステル繊維を使用し、革や合皮の質感を表現した素材(生地、テキスタイル)です。

だから従来の合皮と異なり、使用後は再び繊維に戻され、もう一度クアルテックとして生まれ変わるのです。

他にも、軽い・熱変化が少ない・ウォッシャブル・耐久性が高いなどの多様なメリットに「他では見られない素材感」と、来場者から大反響。

質感やコスト面で課題が多かった環境配慮型レザーですが「クアルテックはさまざまな課題もクリアしていて、サステナブル素材として最適ですね」との声も届きました。

Circular  Navi:サプライチェーンの可視化

サプライチェーンを消費者が確認できる循環システム「Circular Navi(サーキュラーナビ)」は、製品にQRコードタグを取り付けて紹介。

スマートフォンからタグについているQRコードを読み込むと、製品製造にかかるCO2排出量がひと目でわかるカーボンビューサイトにつながります。

"見える化"によって、よりサプライチェーンを意識して消費者が商品選択できるサービスです。

来場者から共感の声がとても高く、トレーサビリティの重要性に関心の高い方の多さに驚かされました。同時に、「今後は、より消費者へわかりやすい表示が必須項目になる」と私たちも確信を深める機会となったのです。