2025.9.2
ものづくりの原点回帰〜若手社員の武者修行編
なぜKOWAの社員は知識豊富なのか?
それは現場で繰り広げられる奮闘の物語があるからです。
KOWAでは若手社員育成の一環として、現場(機屋)で研修を実施しています。
今回は、研修を終えたばかりの期待の新人A氏とN氏に、現場での経験についてインタビューしました。
武者修行インタビュー
お世話になった研修先
A社様
・製織前の準備工程における高い技術力と管理力に定評あり
・強撚糸を使った生機のノウハウに長けている
・他の機屋が敬遠するような難しい規格にも果敢に挑戦している
・KOWAと長年にわたり取引があり、深い信頼関係で結ばれている
B社様
・短繊維織物では国内最大級の生産キャパを保有している
・カジュアル用途、ユニフォーム用途を中心に多用途・多品種の生産を行っている
・KOWAがメインで使用している協力工場であり、スペースの大半をKOWAが継続生産している
※機屋(はたや)・・・糸から織物を作る工場
※織機(しょっき)・・・糸を縦横に組み合わせて布地を作る機械
ーまずは自己紹介をお願いします!
A氏:生活関連事業部の6部2課に3月から配属になりました。よろしくお願いします。
N氏:同じく2課に、昨年11月に入社しました。以前は空港で勤務していました。
ー武者修行に参加した目的を教えてください
A氏:先輩たちのように繊維業界で活躍するため、糸から織物になるまでの工程や、機屋ごとの考え方の違いなど、繊維の基礎知識を学ぶためです。
とくに研修先の2社はKOWAの品番を多く依頼しているため、その工程を深く理解する必要があると感じていました。
N氏:私は繊維業界未経験で、知識ゼロからのスタートでした。
そのため、より基礎的な、2課が扱う商材や織物の製造工程を実際に見て理解するために参加しました。
ー研修は、どのように進められましたか?
A氏:A社では1カ月間、住み込みで研修を行い、担当者の方が付きっきりで指導してくださいました。
糸量や品質管理について徹底的に学ぶために、問題集まで用意してくださっていて、本当に手厚く教えていただきました。
一方、 B社では、KOWAの技術顧問が作成した工程表に沿って、誰に何を尋ねるべきかを自分で考えながら学ばせていただきました。
ーなるほど。A社ではどのような問題集が用意されていたのですか?
A氏:A社は貸織り(糸を預かって織る)を行っているため、糸の質と量の管理に非常にシビアです。
たとえば、「この糸量で必ず100反織って欲しい」と依頼されるため、どうすればその規格で目標の反数を織れるかを考えなければなりません。
最初の数日でその基本的な知識を身につけておかないと、その後の研修期間を十分に活かせなくなってしまう。そのため、基礎を固めるための問題集を用意してくださいました。
この工程表に基づき、自ら聞き込みをしていったそう・・・
ーとても手厚い対応をしてもらったのですね。ちなみに、印象に残った生地はありますか?
A氏:<CN8037>高密度の綿ナイロン交織タイプライターです。
糸切れが起きやすく、織機が止まりやすい難しい規格で、KOWAの技術顧問や知識豊富な営業も試行錯誤を重ねてきた生地だと聞いていました。
今回の研修では、品質や管理の状況を実際に確認するため、織機の設定や検反まで体験させていただき、とても心に残りました。
N氏:私も同じくその生地で、A社の担当者が、腐れ縁みたいな品番だと仰っていたのが印象的でした。
それでも長年愛されるロングセラー品番となっているので努力の甲斐あってこそだと感じています。
ーそれぞれの機屋でKOWAの代表的な品番を教えてください。
ー今回の武者修行を通して、研修前と研修後で何か変わりましたか?
N氏:背景を知らずに仕事を進めるのと、しっかり理解したうえで進めるのとでは、まったく違うと感じています。
現場を体験したことで、機屋の方々との関係も深まり、仕事がさらに楽しくなりました。
A氏:もともと服が好きでしたが、実際に糸から織物になるまでの工程を1カ月半かけてじっくり学ばせていただき、改めてその奥深さに感動しました。
ー実際に現場に足を運ぶことで、営業活動での説得力も増しますし、工場とのやり取りもスムーズになりますよね。
A氏:はい。たとえば、A社へ依頼をする際は「この規格で何反織りたいので、糸がどれくらい必要ですか?」といった質問を投げかけるのですが、その意味を正確に理解できるようになりました。
自分の中で答え合わせができるようになったのは、とても大きな成長だと感じています。
現場の方も、「そのやり取りのキャッチボールをしたいから」と仰っていて、営業が理解している方が話が早く、メールのやりとりが1往復で済むそうです。
ー最後に、今後どんな営業になりたいですか?
A氏:先輩方がみんなスペシャリストなので、まずはそこに近づくのが1番の目標です。そのうえで、現場の知識が豊富で、機屋さんの視点に立って考えられる営業になりたいです。
N氏:まだ先輩方に近づくには至りませんが、今回の経験を活かして、いずれはKOWAにも機屋さんにも貢献できるような、繊維業界を盛り上げられる営業になりたいです。
ーぜひお願いします!今後の活躍が楽しみですね。引き続き頑張ってください。
百聞は一見に如かず〜原点回帰
KOWAでは、ものづくりの現場を体感で学ばせることで、座学だけでは得られない「生きた知識」を身につけ、知識豊富な営業として成長できるようにしています。
「いずれ営業に出た際に、しっかり生地を理解してプレゼンをしたり、クレームが起きてしまった際にもちゃんと対処できるようにする為の施策です。」そう語るのは課長のO氏。
単なる知識習得にとどまらない、ものづくりの原点に立ち返る貴重な機会。
生地がどのように生まれ、その背景にある技術や工夫を理解することで、顧客や生産現場からより一層信頼される営業へと成長していくでしょう。
今回ご協力いただきました機屋の皆さま、ありがとうございました。
今後の2人の活躍にも、ますます期待が高まりますね。