2025.3.24
実は日本製!?中東民族衣装“トーブ”

日本から遠く離れた中東の民族衣装に、日本製の生地が使われているのをご存じですか?
日本の繊維メーカーは長年にわたり高品質の生地を輸出しており、中東でも高く評価されています。
白だけでも200色!中東の民族衣装“トーブ”
中東諸国では、宗教の教えや気候、民族の団結の徹底などの理由で、人々は民族衣装を着て生活しています。男性が着用するトーブは、ゆったりとした丈の長い民族衣装で、灼熱の日差しや砂漠の砂から肌を守れる作りになっています。

また、トーブの布の色は白・クリーム色が一般的で、白だけでもなんと200色ほど、白以外にも紺やグレーなどさまざまな色のトーブがあります。
白が主流となった理由としては、中東の厳しい日差しから身を守るため、太陽光をよく反射する色だという実用的な側面も影響していると考えられます。

日本製の生地が好まれるヒミツ
“トーブ”と聞いて、日本を連想する人はどれくらいいるでしょうか。
実は、トーブの生地は日本製が多く、高級なトーブとなるとほぼ100%日本の生地でできています。
日本製の生地は、なめらかで肌触りがよく、使い続けても白さが変わらないなど、品質の高さに定評があります。
生地を均一で風合いよく仕上げる技術、色むらが出ないように染める染色技術、ピリング防止のための毛羽抑え技術など、日本の高い技術力によって実現しています。

日本とトーブの歴史
日本が中東に進出したのは、日本の繊維産業が繁栄していた1960年代頃。日本の繊維は他国と比べて格段に品質が良かった為、中東やアメリカなどの海外でも受け入れられるようになりました。
元々は綿100%の生地で作られていたトーブですが、シワになりやすいのが最大の欠点。次第にポリエステルを含んだコットンポリエステルが主流になっていきます。生地にポリエステルを含めると、シワが軽減されアイロンをかけなくてもそのまま着られるメリットが。
さらに近年では白色をきれいに維持でき安価な、ポリエステル100%が広く支持されるようになり、現在に至ります。
食事などの汚れを防ぐ為の撥水加工なども人気です。

綿布問屋が祖業!KOWAの強み
色々とメリットがあるポリエステルですが、コットンなどの天然素材と比べると通気性は良くありません。気温と湿度が特に高い中近東の一部のエリアでは、最高気温が50度近くなる為、暑過ぎて人が息をするのも辛いくらい。

そこでKOWAは、通気性が良く、肌にベタつかない綿混やセルロース混の生地開発に取り組んでいます。
セルロース混にすることで、ソフトでしなやかな風合いと、上品な光沢感が演出されます。また、通気性や吸湿性にも優れているため、気候が暑い地域でも快適な着心地が得られます。
祖業以来蓄積してきたノウハウを活かし、糸の選定から生地の設計までを一貫して行い、高い技術を持つ工場と共同制作。
さらに、混率や加工の微調整を繰り返し、暑い気候でも人々が快適に過ごせる努力を続けています。
KOWAだからこそできる付加価値を武器に、中近東のマーケットに高品質な生地を提供し、両国の交流がさらに深まることを願っています。
