2025.7.30
世界が釘付け!日本の技術〜吊り編み&藍染
The world is glued to it! Japanese technology〜Loopwheeled Fabric &Japanese Indigo Dyeing
いま世界が、日本の技術に注目しているのをご存じですか?
KOWAへも、海外のお客様から、日々さまざまなお問い合わせが届きます。今回はその中でも特に注目の“吊り編み”と“藍染”についてご紹介します。
吊り編み
Loopwheeled Fabric / TSURIAMI
吊り編みとは、筒状に生地を編んでいく旧式の吊り編み機によって作られる生地のこと。
編み機が天井から吊るされており、糸が引っ張られずに、重力に従ってゆっくりと巻き取られていくため、糸に余計なストレスがかかりません。
そのスピードは1時間に約1m編める程度。
通常のシンカー機は、1時間に24m編めるのでその差は歴然、、
時間をかけて編むことで、たっぷりと空気を含んでおり、まるで空気まで編み込んだようなふっくらとした独特の風合いが生まれます。
時を超えて愛される吊り編み
Timeless hanging knitting Tsuri-ami Loopwheeled Fabrics
かつて、手編みだった時代から世界で活躍した吊り編み機ですが、大量生産が推奨された高度経済成長期になると、その生産性の低さから姿を消していき、機械メーカーも製造を終了しました。
生地を編むのに職人の熟練した技が必要なため、吊機を稼働させる工場は世界的にみてもごくわずかに。
現在では国内で和歌山県に多く残されています。
1960年代頃までのヴィンテージと呼ばれるスウェットの多くが、この吊り編み機で作られており、洗濯を繰り返すと違いは歴然!
着心地の良さと、洗い込むほどに実感できる柔らかさが、何十年経った今でも多くのファンを魅了し続けています。
藍染
Japanese Indigo Dyeing / AIZOME
同じく世界から注目されているのが、日本の伝統工芸として知られる藍染。
古くは解熱や抗炎症薬として用いられていた植物の藍(アイ)から採れる染料を用いて染める技法で、
日本では1600年代初頭の安土桃山時代に侍の着物の染料として普及。
切り傷をしても化膿しない抗菌作用や、消臭効果、防虫作用、紫外線防止効果、それに加えて難燃性もあったことから、鎧の下に着たり、火消しの着物としても重宝されました。
江戸時代になると、庶民が紫や紅などの高貴とされている華美な色が禁止され、木綿の着物や生活用品が広まったことで、藍染は爆発的に広まります。
“贅沢には見えない贅沢を”
さりげない高級品を身につけることで当時の人々はステイタスに浸っていたのですね。
明治時代以降は合成染料であるインディゴが開発されたため、安価で大量生産が可能となり、藍染は衰退します。
<藍染の効果>
- 消臭効果
- 抗菌作用
- 難燃性
- 防虫作用
- 紫外線防止
唯一無二の藍染
The one and only Japanese indigo dyeing“Aizome”
藍染の染料は、藍の葉を太陽の下で天日干しし、葉っぱが藍色になるまで何度もひっくり返し、水をやり、むしろをかけて発酵させ、小麦や糖、酒を与えさらに発酵、、、と、まるで生き物を育てるかのように一年かけて作られます。
“染めた時が一番綺麗な化学染料に対し、しばらくして綺麗なのが藍染”
手間ひまかけているからこそ、使い込むほど独特の風合いと味わいが増し、洗濯を繰り返すたびに色馴染みが良くなり経年劣化を楽しめます。
そして消臭・防虫効果など実用面も兼ね備えた藍染は、化学染料には無い唯一無二の色として、日本のみならず海外のメゾンブランドからも需要が高まっています。
海外と日本の架け橋
A bridge between foreign countries and Japan.
『ボタン1つのやり取りから一緒にモノづくりができるのがKOWA』
そう語るのは、フランスに留学経験のある製品営業のS氏。
KOWAには、モノづくりに精通している人が揃っており、吊り編みや藍染の生産者、縫製工場とのやり取りに至るまで、完全にサポート。
生地から製品まで一貫して納める事が出来ます。
また、海外に支店があり、課長を筆頭に海外移住経験のある社員も多いので、アパレル用語の言語問題や、輸出入のノウハウもお手のもの。
日本の良いものを世界に発信する架け橋的な役割を担っています。
服を大切に育てていく
Caring for and nurturing clothes
吊り編みや藍染といった特殊な日本の技術は、サスティナブルが当たり前の昨今、
そのメリットから、一つのものを長く大切に育てていく価値観のもと見直され、愛され続けています。
ぜひ、あなたも手に取ってみてはいかがでしょう?