BharatTex 2024 インド国際テキスタイル展示会に初出展

インドのニューデリーにて、2024年2月26日〜29日の4日間に渡り開催されたBharat Tex 2024(インド国際テキスタイル展示会)。インド繊維省が主催する、世界最大級の国際展示会にKOWAが初出展しました。

今回の出展では、スビンや和紙などの原料にこだわったオリジナルデニムコレクション、超長綿特有の艶感をラグジュアリーに落とし込んだコレクションなどタイプの異なる製品を出展した結果、インド企業から大きな反響がありました。インド市場拡大に向けた大きな進展が見られた今回の展示会の様子をレポートします。

インド初の繊維業界の大規模展示会が開催

Bharat Tex 2024(インド国際テキスタイル展示会)は、インド初の繊維業界の大規模展示会です。

東京ドーム約10個分の広さを誇る会場には、なんと世界111ヵ国から3,500社が出展。4日間の開催期間で約40,000人が訪れ、2月26日(月)にはモディ首相も来場しました。

会場にはアパレル業界関係者だけでなく、メディアや一般客も多数来場しました。

近隣ホテルは早い時期から満室になる事態…と、インド国内だけでなく、世界中からの期待感の大きさがひしひしと伝わってきます。

実際に展示会の雰囲気からは、2000年代前半のGDPが急成長する前の中国と同じ熱気が感じられ、世界各国によるインドへの投資意欲の高まりが伝わってきました。

インド国内の新規市場開拓への第一歩に

今回はKOWAとKowa India Pvt. Ltd.による合同出展です。

インドにおける新規ビジネスの構築を目的としていました。KOWAブースには、アパレル業界のデザイナー、テキスタイルコンバーター、エージェントなどを中心に70社が来場し、内訳の9割以上はインド企業でした。

もともとKowa India Pvt. Ltd.は、原料大国であるインドの特徴を活かして、日本への輸出を主軸としたビジネスを築いてきました。しかし、今回の展示会では、インドを新たな市場として捉え、新規市場開拓に挑戦するきっかけとなりました。

日本製品への評価は総じて高い結果に

今回は大きく7つのコレクションを展示しました。

•The Cotton New Finish(綿の特殊加工)

•Cordura Nyco(綿 x コーデュラナイロン)

•Premium Heavenly Cotton(超長綿)

•Twistech Cotton(強撚)

•wellact(サステナブル素材)

•Blue Blue(デニム)

•NEW SYNTHETIC(合繊)

来場者から寄せられたKOWAコレクションへの評価は総じて高く、天然繊維・合成繊維問わず日本製品の風合いの良さに感銘を受けていたようです。

インド市場のニーズが明らかに

今回の出展により、インド市場におけるニーズが見えてきました。

まず、ポリウレタン混のニーズが高く、特にポリウレタン混のストレッチデニムを求める声が多数寄せられました。また、ニット素材を要望される来場者も多く、ニット素材のコレクションへの可能性を感じられる結果に。

トレンドという観点では、光沢感のあるサテン素材を求める声が多かったのも特徴です。

インドは現在、中国を抜いて世界一の人口となりましたが、1人当たりの生産性や給与所得は先進国に比べると依然として低い状況です。

しかし、現代中国のように、1人当たりのGDPや所得水準が上昇すれば、日本の付加価値の高い素材がインド市場に参入できるチャンスは大きく潜んでいるはずです。

今回の出展は、インドにおける日本のアパレル製品の市場拡大に、大きな希望を見出す機会となりました。