日本のデニムの魅力

一度ハマると沼にハマっていく人が多いデニムの世界。多くの人に愛されているデニムですが、日本のデニムは世界的に注目されているのをご存じでしょうか?KOWAでも取り扱っている日本のデニムについて、その奥深い魅力をご紹介しましょう。

デニムが紡ぐ、遥かな時の流れ

デニムの発祥は、フランス南部にあるニーム地方の古代織物センターにて、15世紀に生みだされたと言われています。語源は、「ニーム産の綾織物」を意味するSerge de Nimes(セルジェ・ドゥ・ニーム)で、「de Nimes」がアメリカ英語なまりになり、Denim(デニム)と呼ばれるようになりました。

世界から熱い視線!匠たちが織り上げる日本のデニム

日本におけるデニムは、岡山県倉敷市の児島が「国産ジーンズ発祥の地」とされており、この地からジーンズの量産化がスタートしました。現在、日本製のデニムは高品質で、世界中で人気を博しています。

世界的な人気の高さは、匠たちの技術、手作業による染色、生産効率を求めない織りへのこだわりによって支えられています。大量生産によってデニムを作っている国とは違い、仕上がりのイメージから逆算して糸の染色を調節しながら、徹底してこだわりの1本を作っています。

良質で本格的なデニム生地には、強じんで耐久性のある太番原糸、堅牢で深みのある均一な色相を持ったインディゴ染め、適正な手持ち感と独特の風合いを生むための織物設計および生地加工技術が必要。こうした条件を満たし、使い込んだ時の仕上がりまで満足できるのが、日本のデニムなのです。

愛され続ける日本のセルビッチデニム

日本のデニムの中でもデニム愛好家から絶大な支持を得ているのが、セルビッチデニムです。Levi’s(リーバイス)の赤耳を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

セルビッチデニムとは、旧式の織機(シャトル織機)を使って作られており、ほつれ止めが施されているデニムを指します。旧式織機は現在生産が終了しているため、織機自体が海外ではほとんど見られません。また、機械を動かす高度な技術やメンテナンスが必要なため、まとまった台数を使用できるのは日本の限られた地域にしかないのです。

セルビッチデニムの優れた特徴は多々ありますが、耐久性・美しさ・職人魂の3つのポイントが挙げられるでしょう。

耐久性

端がほつれにくいため、非常に頑丈で長持ち。

美しさ

使えば使うほど、独自の色落ちやアタリが出てきます。アウトシームに耳が付いているので、穿き続けると、ジーンズの表面に独特な色落ちとなって現れます。

職人魂

旧式のシャトル織機を使った生産は職人さんの手作業が不可欠なため、職人の手で丁寧に作られており、縫製や細部にこだわりが感じられます。単なるファッションアイテムではなく、背景にある職人魂や生産ストーリーを楽しめます。

生産の難しさ

旧式織機は織る速度が遅く、機械を動かすのにも時間がかかります。ゆっくり織っているため、独特な撚りがかかり、肉厚で風合いが良い生地が出来上がるのです。

しかし、最新の織機と比べると4〜5倍の織り上げ時間が必要となり、職人さんの手作業が不可欠。加えて、旧式のシャトル織機は、本体や部品の生産が終了しているため、レベルの高い保守管理能力が必要とされます。そのため、セルビッチデニムの生産は決して楽ではありません。

KOWAのデニム

スビンコットンデニムやシルクノイルデニムなどプレミアムなラインナップが揃うKOWAのデニム。ここではそんなKOWAのメリットをご紹介しましょう。

生産を円滑に行う中間管理

染料・染色方法・洗い加工・後加工など、こだわると奥が深いデニムですが、匠たちの知識や技術が必要不可欠。そのこだわりに対して、昔からのつながりやノウハウを活かし、中間管理して生産できるのが、興和の強みのひとつでしょう。

新しい挑戦

個人やアパレル企業では挑戦しにくい素材からの開発も行い差別化したものづくりをしています。

結果として、顧客が求める生地や製品を一緒に作っていける環境が揃っているのが、興和の強みの一つと言えるでしょう。

原料の調達

KOWAはインドに事務所があるため、現地の原料を調達できます。スビンコットンを使用したこだわりの生地は、希少な原料・織機を利用できKOWAならでは。

おすすめ商品

SSV77:Suvin 100% 13oz DENIM

スビンコットンの糸は、超長綿の中でもトップクラスの繊維長で、光沢に優れているのが特徴。そのため、繊細で美しい艶のある生地ができ、加工後も上品な仕上がりに。

繊維や糸の太さを表す繊度が極細レベルなので、柔らかくしなやかな風合いで、デニムなのにキレイめに仕上がるのもこの生地ならでは。(セルビッチ有り)

SSV7S17:Suvin x Silk nep 10.4oz Denim

シルク糸の生産時に発生するシルクの落ち綿を再利用して短繊維にしたシルクノイルを横糸に使っており、ネップ超のカジュアルな表面感が特徴。味のある風合いでサスティナブルも謳えるヒット商品です。(セルビッチ有り)

関連コラム:「綿の宝石」と呼ばれる世界最高級のコットン

https://thecotton.jp/blogs/topics/suvin-cotton

KOWAの誇る“デニム界の女神”

単身で岡山へ渡り、加工現場から縫製工場まで8年間修行を積み、現在はKOWAのデニム商品全般に携わっているデニムのスペシャリスト。

そんな彼女に国産デニムの良さを聞いてみました。

Q岡山の現場で感じたことは?

K氏:現地の職人たちが、毎日汗水垂らし、駆けずり回りながら、数ミリ・数度単位の緻密な仕事をしているのを知り、感動しました。天気や水質の差にも左右されてしまうほどデリケートなデニムを、仕上がりのイメージとぴったり合わせてくる職人技は圧巻です。

Q 今後どんな取り組みをしていきたいですか?

K氏:日本の職人は、武士道気質が強くて謙遜しがちで、自分達で外に向けて発信するのが苦手な傾向があります。私は、彼らのこだわりや職人技術を、興和の世界的なネットワークの力で世界市場に乗せ、市場自体の価値を上げていきたい。

ファストファッションが大量生産・販売されている中で、職人たちの誇りや生活を守り続けられるよう、これからも世界と岡山の架け橋になれるよう、日本のデニムの偉大さや尊さを発信していけたらと切に思います。