2025 SS Première Vision Paris & Milano Unica 出展レビュー

フランス・パリで開催された世界最高峰のテキスタイル見本市、Première Vision Paris<プルミエール・ヴィジョン・パリ>とイタリア・ミラノのMilano Unica<ミラノ・ウニカ>。

2025年SSシーズンに向けて、前回から刷新し、新たな試みで挑んだKOWAの出展レビューをお届けします。

今回の両展示会には、前回と同様に多くの来場者が訪れました。中でも日本からの出展企業は増加傾向にあるなかで、新しい商品を見つけたいと意欲的なバイヤーが多く見られました。

華やかなカラーリングで来場者を魅了

2024年AWの同展示会とは見せ方を変え、ブースの半分を製品を使って展開。

ビビッドな色彩の製品や、オリジナルデニムが目にとまるよう、通路に面した側は透明のガラス張りに。メインディスプレイは、高さを出して見やすさに配慮しました。

遠目からでも展示の様子が目立つようになり、他ブースに比べてより華やかでキャッチーな印象に。通りすがりの来場者が思わず立ち寄るほどの好感触を得られました。

独自の加工技術が生んだスペシャルな素材感

ブースのもう半分の素材ゾーンは、SSにふさわしい軽やかな生地を中心に展開。

超長綿・スヴィン・スーピマといった上質な綿を糸軸に使用する提案や、独自の加工技術を駆使した新しいアイデアなど、オリジナリティを積極的にアピールしました。

お客様に選ばれた当社人気素材BEST10

日本独自の技術による、天然素材を揉み込むことで生まれる合成繊維のような感触や、絶妙な反発感を持つ素材が大好評。

他では見られない二次加工にフォーカスした点が功を奏し、多くの来場者の注目を集めました。

1位:KPV112 

The Cotton New Finish

Fine Fibrillated Soft Touch

生地情報

2位:KW1089

Twistech Cotton 

Organic Cotton High Twist Twill Cold Marcerize+Tumbler

生地情報

3位:KW5100

Cordura Nyco

Technology C / Cordura PFD with Salt Shrinkage Finish

生地情報

4位:KW1081

Premium Heavenly Cotton

Supima Cotton Light Moleskin

生地情報

5位:KW1030-K

Premium Heavenly Cotton

生地情報

6位:KN88217KRNCET

The Cotton New Finish

CPT80 Cotton Compact Twill LUFTUS finishing

生地情報

7位:KPV113

The Cotton New Finish

Fullness, moderate firmness and elasticity

生地情報

8位:KW1001FD

Atelier.K

【KASUMI】 Cotton100% + PU Lamination / Gament Dye

生地情報

9位:KW1001

Twistech Cotton 

Heavy and High Twisted Cotton Twill

生地情報

10位:OGSV2100KRG

Premium Heavenly Cotton
Organic Suvin non-stretch Chino

生地情報

「ATELIER.K」メイドインジャパンが誇る製品染め

製品チーム(Atelier.K)は、2024AWの展示会に引き続き、日本でしかできない製品染めの技術を前面に打ち出しました。

天然繊維にラミネート加工を施し製品染めを行うという、興和の素材を活かした独自の技法でサンプルをアップ。カラーリングもこだわり、新感覚の製品に仕上げたことで、来場者を惹きつけ、集客に大きく貢献しました。

お客様に選ばれた当社人気商品BEST5

ラミネート加工による新しい素材感や、あと染めによるヴィンテージ感など、日本独自の加工やKOWAでしか生み出せない素材を活かした製品に人気が集まりました。

サスティナビリティがスタンダードとなった今、さらに一歩踏み込んだ、ディティールにまでこだわった製品づくりが評価されていると感じています。

1位:AK1857 Linen Hoodie BZ

素材:リネン×HIKARI

色展開:White/Yellow/Blue


麻100%の天然素材に光沢感のあるラミネート加工を施し、天然繊維でありながら合繊のような新しいタッチのファブリックに仕上げたフーディーブルゾン。薄くて軽い素材の特性を活かし、あえてカジュアルに落とし込みつつスタイリッシュな印象に。

2位:AK1855 Cotton Reversible CT

素材:綿100強撚ツイル×KASUMI 

色展開:White/Red/VioletBK

綾目の立った綿ツイル素材に、マットな質感のラミネート加工を施したバルカラーコート。天然繊維でありながら、レザーのように仕上がった生地にあと染めすることで生まれるヴィンテージ感が魅力。裏表でまったく違う表情を持つ素材を活かし、リバーシブル仕様に仕立てています。

3位:AK1861 All-eco Down JK

色展開:White

「100%エコダウンは作れる?」という問いから生まれた、生地から副資材・付属品に至るまで、すべてオーガニックやリサイクル素材で構成したサスティナブルなシャツ型ダウンジャケット。表地には、前回の出展で人気を集めたKOWA素材の綿リップを採用。男女問わず、羽織感覚でサラリと着用できます。

4位:AK1864 WASHI Denim PT

色展開:Indigo/White

和紙繊維特有のシャリ感、表面の美しい素材感を活かした、クリーンなイメージのパンツ。シンプルながらもリラックス感のあるシルエットと、素材の上品さを兼ねそなえています。細かいディティールまでこだわった、普通のデニムとは一線を画したスタイル。

5位:AK1858 BARIKATA CT

色展開:White/Pink/Khaki

興和定番の綿×コーデュラナイロン素材に特殊加工を施し、スタンディングファブリックに仕上げたBARIKATA加工のコート。空気を纏ったような構築的なシルエットと、二次加工によって生まれたドライタッチな素材感が独特のニュアンスを生み出しています。ヴィンテージ好きも思わずうなる仕上がりに。

より一層求められる市場競争力とブランド価値の向上

ヨーロッパブランドには、近隣国のポルトガル・トルコ・リトアニア製品が多く、コスト面やコミュニケーションのスムーズさなどのメリットから、アジア生産を上回っています。

そのため、KOWAが市場での競争力を高めるには、社内の部門間連携を強化し、効率的な生産体制を築くことが不可欠になってくるでしょう。

さらに、他にはない素材づくりと、日本でしかできない加工技術をはじめとする"オリジナリティ"の強い打ち出しが、市場でのブレークスルーを図るための鍵になると確信しています。